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【研究員募集】「組織をよむ。」研究会をスタートします。
「組織をよむ。」研究会は、組織を考える立場の方々と共に、豊かな組織の見立て方(=よみ方)を養うプログラムです。
人は集団の中で生み出されます。集団というへその緒なしに、心理学的にも物理的にも文化的にも人は生きられません。集団とは組織であり、組織をどう見立て働きかけるかは、ビジネスパーソンとして重要なテーマです。
人的資本開示の潮流、エンゲージメント・サーベイやWell-being評価指標など測定ツールの高度化。「組織」を量的に読み解く方法は増えました。しかし、組織という動的で複雑な存在を読み解く術はデータだけでしょうか。人事や組織長の立場にいる方は、どんな眼差しで組織を見立てる(=よむ)べきでしょうか。
「組織をよむ。」研究会は、戦略デザイナー、文化人類学者、社会学者、デザイン研究家、経営学者等アカデミアで活躍する方々をお呼びし、参加者と共に考える試みです。
Kokkaraが運営するため、脱線も多くなるかもしれません。獲得できる知識に期待し、同時に掴みきれなかった不確実さを楽しめる方々と共に実験したいと思います。ぜひご参加ください。
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【概要】
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ど真ん中の組織専門家から理論を学ぶスタイルではなく、組織を普段とは異なる視点で考え、学びほぐす試みです。ズレやユレから新しい観点を自分なりに掴み取る。本研究会では、話題提供者をお招きし、研究会メンバーとのインタラクションを大切にします。一方的な講義の場ではありません。研究会は10名〜20名程度のメンバーで構成します。オープニングとラップアップは研究会メンバーのみで実施します。
【全体スケジュール】
7月13日(土)9時〜10時半
▶︎Session0_オープニング_学びの器をつくる
7月26日(金)20時半〜22時
▶︎Session01_戦略デザイナー_佐宗邦威さん_「ひと・組織・文化」という物語をよむ
8月06日(火)20時半〜22時
▶︎Session02_文化人類学者_松村圭一郎さん__人類学者が見つめる組織
8月23日(金)20時半〜22時
▶︎Session03_デザイン研究者_上平崇仁さん_組織はコ・デザインできるのか
9月06日(金)20時半〜22時
▶︎Session04_組織社会学者_樋口あゆみさん_境界から考える「ひと・組織・文化」
9月13日(金)20時半〜22時
▶︎Session05_経営学者_吉田 満梨さん_エフクチュエーションで読む「ひと・組織・文化」
9月21日(土)9時〜10時半
▶︎Session06_ラップアップ_学びの結晶化
【各回の内容】 ※変更可能性あります。
Session01_戦略デザイナー_佐宗邦威さん_「ひと・組織・文化」という物語をよむ
初回は戦略デザインファームBIOTOPE社を経営する佐宗さん。組織をよむためには、組織を組織たらしめているものを考えるところから始めます。パーパス、ビジョン、ミッション、バリュー、ナラティブ、カルチャー、ヒストリー、そしてリーダシップ。この術語たちを自在に操り、理念経営2.0を打ち出したプロフェッショナルはどんな観点と態度で組織を解読しているのでしょうか。講義ではなく、その場で投げかけるからこそ湧いてくる生成的なダイアログに挑戦します。
Session02_文化人類学者_松村圭一郎さん__人類学者が見つめる組織
人類学は近年デザイン領域におけるビジネスへの応用方法が盛んに議論されています。一方、ヒトと集団を直接取り扱う組織や人事領域での展開はまだ多くありません。文化人類学的な態度で組織をよむとは?アフリカをフィールドに人類学を行う松村さんとともに「人間の集団をどう読み解くのか」を考え、固定された組織観をほぐす時間になる予定です。あくまで予定ですので、その場で湧いてきたトピックスを大事にします。
Session03_デザイン研究者_上平崇仁さん_組織はコ・デザインできるのか
デザインの視点から組織をよむ。そのために、まず使い慣れている「デザイン」とは何かを深めます。大胆にデザインとは何か、コ・デザインとは何かを中心に語っていただき、あとは研究員の紐付け力に頼ろうと思います。それぐらいデザインの最前線に触れることは、組織・ヒト・文化を見立てる部分に展開できるものだと考えています。多分。
Session04_組織社会学者_樋口あゆみさん_境界から考える「ひと・組織・文化」
樋口さんは社会学者ニクラス・ルーマンの社会学的システム論を主として、意味生成と意思決定の観点から組織を分析しています。もう雲行きが怪しいですよね。ビジネス応用を意図した組織論に触れることが多い我々ですが、せっかくの機会なので一歩アカデミックな組織論に踏み込みます。キーワードはズバリ「境界」。自分たちも気づいていない日常行動や暗黙のルール、それらを再帰的に作りだす私たち自身とは?終了時に残る大量の「わからなさ」を元に、ヒト・組織を再考するきっかけになることを意図しています。
Session05_経営学者_吉田 満梨さん_エフクチュエーションで読む「ひと・組織・文化」
注目を集める起業家の思考法「エフェクチュエーション」。不確実性の高まる社会で有用な「反・因果論」の行動様式は組織を見立てるときにも応用可能では?という直観から、エフェクチュエーションという切り口で組織と個人の繋がり方を紐解いてみます。新市場創造のための思考法から「組織をよむ。」研究会は何を抜き出し、何を組織に転換していくチャンスを掴むのか。吉田さんと一緒に脳みそに汗を書くSessionになります。
※Session0と6は別途ご連絡差し上げます。
【申し込み期間】
5月31日(金)〜6月14日(金)
【参加資格】
・組織変革の主体者
・組織に影響を与えたい方
・真剣にひと・組織・文化について学びたい方
・研究員として最後に学びを社会のためにアウトプットいただきます。
※気が短い方、怒りん坊の方はご遠慮いただきます
【研究員参加費用】
30000円(税込)
※話題提供者謝礼と最終報告書の制作費用に充当いたします。
【開催場所】
オンライン(ZOOM)
※いつかリアルで研究員で集まる会も考えています。
【注意事項】
・応募者多数の場合は応募フォームの内容と多様性を加味して参加メンバーを決定します。
・参加はよっぽどのご事情がない限り、基本参加必須になります。
【申し込みフォーム】
https://forms.gle/YppmCKyL43wCKSuY8
【不明点】
n_ooya@kokkara01.com にご連絡ください。
【話題提供者プロフィール】
佐宗邦威さん_株式会社BIOTOPE/代表、チーフ・ストラテジック・デザイナー
東京大学法学部卒。イリノイ工科大学デザイン学科(Master of Design Methods)修士課程修了。P&Gにて、ファブリーズ、レノアなどのヒット商品のマーケティングを手がけたのち、ジレットのブランドマネージャーを務めた。ヒューマンバリュー社を経て、ソニークリエイティブセンター全社の新規事業創出プログラム(Sony Seed Acceleration Program)の立ち上げなどに携わったのち、独立。多くの企業・自治体・組織のイノベーション及びブランディング支援と、企業理念の策定・実装についても実績多数。『理念経営2.0─会社の「理想と戦略」をつなぐ7つのステップ』『直感と論理をつなぐ思考法』『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』『『ひとりの妄想で未来は変わる VISION DRIVEN INNOVATION』』著者。多摩美術大学特任准教授。
松村圭一郎さん_岡山大学文学部准教授。
専門は文化人類学。エチオピアや中東都市部でフィールドワークを行い、所有と分配、海外出稼ぎ、市場と国家の関係などについて研究。著書に『うしろめたさの人類学』(ミシマ社、第72回毎日出版文化賞特別賞)、『くらしのアナキズム』(ミシマ社)、『はみだしの人類学』(NHK出版)、『これからの大学』(春秋社)など、共編著に『文化人類学の思考法』(世界思想社)、『働くことの人類学』(黒鳥社)。
上平崇仁さん_ デザイン研究者/専修大学ネットワーク情報学部教授
鹿児島県阿久根市生まれ。1997年筑波大学大学院芸術研究科デザイン専攻修了。グラフィックデザイナー、東京工芸大学芸術学部助手、コペンハーゲンIT大学インタラクションデザイン・リサーチグループ客員研究員等を経て現職。2000年の草創期から情報デザインの研究や実務に取り組み、情報教育界における先導者として活動する。近年は社会性や当事者性への視点を強め、デザイナーだけでは手に負えない複雑/厄介な問題に取り組むためのコ・デザインの仕組みづくりや、人類学視点を取り入れた自律的なデザイン理論について研究している。著書に「情報デザインの教室」(丸善出版/共著)、「コ・デザイン―デザインすることをみんなの手に」(NTT出版/単著)など。
樋口 あゆみさん 福岡大学商学部経営学科講師。
東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。専門領域は組織論、理論社会学。社会学者ニクラス・ルーマンの社会学的システム論を主として、意味編成と意思決定の観点から組織を分析しています。主要業績として、「組織境界の複数性」『21世紀の産業・労働社会学』(2022)、”Double symmetry in Niklas Luhmann’s moral communication”(Kybernetes, 51(5), 2022)、「組織的意思決定と時間」『社会の時間』(2022)。寄稿記事に『組織社会学から見た「ほぼ日」』(DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー、オンライン、2017年)。
吉田 満梨さん 神戸大学大学院経営学研究科 准教授
神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了(博士・商学)、首都大学東京(現・東京都立大学)都市教養学部助教、立命館大学経営学部准教授を経て、2021 年より現職。専門は、マーケティング論で、特に新しい製品市場の形成プロセスに関心を持つ。主要著書に、『エフェクチュエーション:優れた起業家が実践する「5 つの原則」』(共著、ダイヤモンド社)、『マーケティング・リフレーミング』(共著、有斐閣)など。