社会人大学院に入学したのが転機でした。どこか好奇心が満たされていなくて。MBAではなく、人間行動システム専攻というマイナーなコースを選択して、哲学、社会学、栄養学、人間共生論、心身相関論、環境心理学など触れたことのない世界に飛び込みました。

アカデミックな世界のルールに戸惑うことはありましたが、良い出会いに恵まれましたね。まさに、「人類学」との出会いがそうです。難しそうな言葉ですよね、僕もちゃんと説明できません。

冒険家・人類学者の石川直樹さんに質問する機会があり、「人類学とは、身体を使って、世界を知覚すること」と教えてくれました。対象をデジタルに計測できる時代だからこそ、自分の五感をフルに発揮して世界を捉えていくのが重要だという学問です。

この感覚はこっからが身を置いている人・組織の領域と親和性がありそうだなと直感的につながりました。より複雑に変化するこれからの世の中だからこそ、柔軟で感覚的な眼差しがきっと求められると。そういえば、こっからでもダントツで柔らかいですね、僕が。みんな頑固だから、大変。

難しいこと言いましたが、どこまでいってもアマチュアな感覚を大事にしたい。プロには憧れますが、正しさと目の前で起こることは違う気がしていて。世の中ほとんど素人ですしね。でも、舐められるのは嫌なので、アマチュアとして突出したい。プロのアマチュアがしっくりきます。

合同会社こっから 代表社員　人間環境学修士
前職リクルート社では全社員採用PRJ・次世代リーダープログラム開発の立ち上げ、新卒採用責任者を務める。2016年独立以降、ベンチャー企業から大手企業のHRD・OD・ビジョン策定に携わる。人類学を応用した組織開発コース「Leveraging Organizational Culture for Impact（EPIC）」修了。本屋アルゼンチン店主。じつはこう見えて、蠍座。